未だに日常的に使われる「差別用語」につ いて

一昔前まで、世の中では「きちがい」だとか「つんぼ」といった差別表現が平気で使われていました。
しかし、人権意識が急速に高まる中、そういった表現は、今や一部の差別主義者をのぞいて、ほとんど使用されることがなくなりました。
これは、人権後進国日本にも、やっと、まともな人権意識が芽生えてきたと言うことであり、喜ばしいことです。

しかし、です。
それでも、完全に差別用語が駆逐されたわけではありません。戦後60年以上経過した現在でも、いまだ、差別的侮蔑的な表現が日常で飛び交っています。
そう、今コレを読んでいるあなたも、きっと、毎日の生活で差別用語を使っています。

そんなことを聞くと、あなたは、「そんなはずはない。自分は差別用語なんて使っていない。」とそう反論するかも知れません。

しかし、そんな意識こそが、まさに今の差別社会の大問題の根幹をなしているのです。
皆さんが知らず知らずの間に使っている日常の言葉。その中にも、恐るべき差別用語が数多く存在するのです。
そして、それははからずも、皆さんが心の中に、他人に対する差別意識を持っていることに他ならないのです。

以下に、日常でよく使われる差別用語を列挙してみました。
これらの説明を良く読み、いかに自分が無意識のうちに他人を差別し、傷つけているかをじっくり考えて欲しいと思います。


身体に関する差別用語
ハゲ
「頭部の毛髪の薄い人」に対する侮蔑的差別的表現です。絶対に使用すべ きではりません。
ブス、ブサイク
「顔の造形が良くない人」に対する侮蔑的差別的表現です。絶対に使用す べきではりません。
デブ
「体重のある人」に対する侮蔑的差別的表現です。絶対に使用すべきでは りません。「恰幅のいい人」「ぽっちゃりしている人」などと表現するのが好ましいでしょう。
馬鹿、あほ
「頭がよくない人」に対する侮蔑的差別的表現です。絶対に使用すべきで はりません。
チビ
「小柄な人」に対する侮蔑的差別的表現です。絶対に使用すべきではりま せん。
ホモ、オカマ
レズ、ゲイ
少数派の性的嗜好者に対する侮蔑表現です。「同性愛者」「GID」 「MtF」などと呼ぶのが相当です。
障害者
障害児
直接的な差別表現ではりませんが、言葉に「害」という漢字が入っているの が問題です。これでは、まるでこういった方たちが、社会の害悪であるかのような印象を与えます。最近は一部で「障がい者」と記述することで、マイナスイメージの緩和をはかる動きも出てきましたが、例えひらがなで表記しようと、「害」は「害」であります。ここは「体や心に、不自由な部分がある方たち」と呼 ぶべきです。多少、呼称が長くなってしまいますが、こういった方たちの人権を守るためには仕方のないことです。




女性に対する差別用語
女医
女○○(女弁護士など)
婦警
男の弁護士に対して、「男弁護士」などとは決して言わないのに、女性の場合にのみ、わざわざ頭に「女」をつけて「女性弁護士」などと呼ぶのは、そういった職業は本来男がすべきであり、女性がするのは特別なことという認識の現れです。これは完全な差別用語です。もし、どうしてもその職業者が、女性か男かであるかを明記したいなら、女性と同様にに男にも、男医、男弁護士、男警などという呼称をすること を定着させてからが筋でしょう。
未亡人
「未だに亡くなっていない人」という意味の言葉です。これは「夫が死んだら、その嫁は同じく死ななければならない」と、暗に言っているようなものです。このような男尊女卑な言葉はもちろん抹殺されるべきですが、未だにこれを 平気で使用する者がいるのは嘆かわしい限りです。
奥さん
結婚した女性は、家の奥にいるべきだ、とする男の傲慢な意識が分かる差別用語です。

言葉よりも、その言葉の漢字の構成が問題です。「女」という時と「家」 という字を合わせて「嫁」とする漢字の構成に差別意識が現れています。結婚した女性は家に入るものと決めてかかる差別表現です。
嬲る
「男」の間に「女」の文字で、「なぶる」。女性を性の対象としか考えてない故にこのような言葉が生まれたのでしょう。
主人、旦那
女性が夫に対してこう呼ぶ習慣が未だに場合がありますが、女性は男の下僕なのでしょうか?
男女
これは順番が「男」が前で、「女」が後であることに問題があり、この言葉自体に男女差別の意識が現れていると考えられます。ここはやはり「女男」と呼称するべきでしょう。女性が虐げられ、差別されている現状では、せめて呼び 方だけは「女男」と呼ぶことで、つりあいを取るべきであると考えます。

言葉よりも、その言葉の漢字の構成が問題です。「良い女」と書いて娘で あり、娘、つまり”若い女性”だけが良いものである、という意識を暗示しています。女性に若さしか求めない男の差別意識がよく分かる言葉です。



外国人に対する差別用語
ちゅうごく
かんこく
中華人民共和国を「ちゅうごく」、大韓民国を「かんこく」と呼ぶのに違和感を感じないなら、それはあなたが、知らず知らずの間に差別意識に毒されている証拠です。
大韓民国の呼び名はけっして「たいかんみんこく」でも「かんこく」でもありません。大韓民国の正式な発音は「テーハミング」です。「かんこく」といった呼び方は日本人が勝手に自国の漢字の読み方に合わせて呼んでいるにすぎません。
我々はアメリカ(United States of America)をアメリカと呼び、オーストラリア(Australia)をオーストラリアと、欧米の国々に対しては、当事国の人と同じ発音で呼びなが ら、中国、韓国にたいしてのみ、日本語で読んでいます。これは明らかに、アジアの人を見下しているためとしか考えられません。
よって、たとえば韓国は「テーハミング」と、現地の言葉で正しく表記する必要があります。
支那
英語の China を日本人が「しな」と呼んだことから生まれた呼称。元は差別意識はなかったのですが、太平洋戦争前後から、中国に対して侮蔑的に使われた経緯があり、現在では完全に差別用語です。これを平気で使用する、某東京都知事なんかがいるのですから困ったものです。
外人
外人とは「外の人」つまり「よそもの」を意味する言葉です。この国際化社会において、今だに中だの外だのと区別する日本人の国際感覚の乏しさには、開いた口がふさがりません
黒人、黄色人種
広く一般に使用されていますが、人間を、肌の色で区別しようとすること自体差別であることを認識しなければなりません。
ハーフ
日本人と外国人との間に生まれた子供のことですが、それを「ハーフ」 (半分)とはどういうことなのでしょう。許されない差別表現です。
ダッチワイフ
ダッチとはオランダ人のことです。このダッチワイフというものの使われ方を考えると、これはオランダ人に対する侮蔑としか考えられません。しかし、オランダを含め、ヨーロッパ圏の国々は、世界の富を集中し搾取する「強者」で すから、多少の侮蔑は許されるので、使用しても問題ないと考えます。
トルコ風呂
これも、トルコ風呂というものがどういうサービスかを考えれば、トルコ に対する侮蔑の呼称と言えるでしょう。もっとも、今「トルコ風呂」という呼称はあまり使われていないようです。
日韓
日中
なぜ、日本の「日」を先に表記するのでしょう。中国や韓国よりも日本が上であるという、思い上がりの表れと言えます。我々日本人が過去に犯した罪の重さを考えるのであれば、「韓日」「中日」と表記するのがせめてものの誠意であるといえます。

職業に関する差別用語
弁護士
税理士
公認会計士 など
これらの職業には最後に「士」がついています。「士」は侍を意味し、これは江戸時代の身分制度に由来します。
弁護士、税理士といった「士」のつく職業は、社会的に高い立場にあるわけですが、そういった職業の呼称に、同じく、江戸時代、最高身分とされた「士」がつ くことは偶然ではありません。これ、弁護士や税理士を身分の高い人間とする差別意識による呼称です。よって、「士」の字は廃すべきであり、弁護人、税理人、公認会計人、などと呼ぶのが適当です。
○○屋
(八百屋、魚屋など)
漫画家が自らを「漫画屋」と呼んでいるのを聞いたことがないでしょう か。そして、それは自分の職業をへりくだっている時に使われています。また、新聞記者を「文屋(ブンヤ)」と侮蔑する表現もあります。つまり我々の意識の 中には「〜屋」という職業に対し軽蔑の意識を持っているのです。
そういう点において、八百屋、魚屋などの「〜屋」の表現は差別用語といえます。
青果販売業、魚介類販売業などと呼ぶのが妥当です。
百姓
明治以前、学校などなく教養のなかった農業従事者を、卑しめて、田舎者 と同義で用いられ来た過去があり、差別用語です。

このように、我々は知らず知らずのうちに差別表現を使っています。
このような言葉によって多くの人が傷ついていることを決して忘れてはなりません。
差別のない、万人に平等な社会にするためにも、常に自分の言葉使いが差別的でないかを意識してゆくべきでしょう。
そのためにも、このサイトが役に立てれば幸いです。


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